竜宮城に帰りたい。
New day 28; 私の竜宮城
「っ、はぁっはぁっ……」
「まだ体力つかんのか。相変わらずやのぉ。」
「そっ、それはこっちの台詞だよっ……
クラスで一番かわいい女子にあんなこと言って…!」
「え、ダメな?」
「ダメに決まってるでしょ!!」
「ぷっ…ははっ……」
なぜか晴はのんきに笑い出した。
「わ、笑ってる場合じゃ……」
「やっぱ、澪は澪のまんまやのぉ。」
「え……」
「演技もバシッと決まっとったし、浦島太郎のまんまや。」
「っ……」
そっか…
晴は東京にいる私も浦島太郎だって言ってくれるんだね。
私はちゃんと変われたんだ。
晴に見つけてもらえた…!
「あり…がと…」
「はぁ…わろて、怒って、泣いて、
忙しいやつやのぉ。」
私のこぼれる涙を晴は優しく拭った。