竜宮城に帰りたい。
「あっ、早月!!」
早月の姿を見つけ、晴の手を離してそばに駆け寄った。
「早月、起きて大丈夫なの?」
「うん…起きるくらいは…
みんなに謝りたくて。」
「謝ることないよ。
劇も成功したし…
明日も公演あるんだから、明日までに回復させなきゃ!」
「澪。本当にありがとう…
私、澪の友達で本当に良かった…」
「もう、早月、泣かないで。」
早月の頭をポンポンっとなでると、
早月は涙をぬぐい、笑顔を浮かべた。
その笑顔を見て、私はようやく安心できた。
「ねぇ、澪。それよりいいの?
あの人、彼氏じゃ…」
「えっ…」
振り返ると、不機嫌そうな晴がいた。
「あっ、ごめん!」
「ええ度胸やのぉ。
お前のために謝りに来たっちゅうのに。」
「元はと言えば、自分のせいじゃん!」
「うっせぇ、ブス!」
「ちょ、ちょっと!
澪はブスじゃないよ!」
「え、早月…?」
「あなた、澪の彼氏でしょう?
そんなひどいこと友達に言わないで!」
「早月……ありがとう……。
でも大丈夫!こいつのこれはデフォだから!」
「お前、澪の友達な?」
「え?う、うん…。」
晴はそっと早月との距離を詰めた。