竜宮城に帰りたい。
「っ、やめて……!」
私は晴の頬をパシッと叩いた。
晴は動きを止め、掴んでいた私の手も離した。
うつむく前髪に隠れて、
その表情は読むことができない。
「晴……」
「……せやけど、毎月は無理やん。」
「え?」
「毎月は会いに来れん。
せやけん、付き合えへんやん。」
「晴……?」
さっきから何言って……
「まだわからんのか!!
俺はお前が好きなんや!!」
私はただただ呆然とした。
晴が珍しく大声出したと思ったら……
え、
私のことが……
好き……?
「晴……?
今、なんて……」
「二度も言うわけないやろ。アホか。」
「わ、私のこと好きって言った……!?」
晴は手で隠した隙間から、私の顔を覗きこんだ。
「そうやって言っとるやん。」
これ、夢?
私、また空想にトリップしてない?
自分の頬をつねるけど、間違いなく痛かった。