竜宮城に帰りたい。



「会えなくったって、

気持ちが通じ合えてるだけで私は平気だよ!

会えないなら、会える時を楽しみに頑張れる!」


「俺はそうはなれる自信なかった…。

せやけど、好きで、別れ際キスして、

忘れさせたくなくて…」


「うん…。」


「今日も、お前に会って、

我慢せないかんって分かってても…

キスして、お前を傷つけた。」


「晴……」



晴は子供みたいに私から目をそらした。


長いまつげが震えている。



悲しかったのは私だけじゃないんだね…。


晴は、私を想って行動してくれてたんだ…。



「晴、ありがとう。」


「……。」


「今日、会いに来てくれて、嬉しかった。

好きって言ってくれて……

私、晴に会ってから世界がひっくり返りっぱなしだよ。」


「なんや、それ。」


「恋したり、
フラれたり、
自分が変われたり、
キスされて喜んだり、
友達って言われて傷ついたり…」


「そりゃお前の世界も忙しいのぉ。」


「全部晴のおかげだよ。

私、もう晴なしじゃダメみたい。」


「……。」


「私にとっての竜宮城は、

晴だよ!!」



晴は何も言わず、私をまた強く抱き締めた。


そして、また愛を伝えるように何度も何度もキスをした。




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