竜宮城に帰りたい。
New day 519; 竜宮城に帰りたい。



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一年半後ーーー



澪、大学一年、春。




「あ、もしもし、おばあちゃん!?」


『もしもし、澪ちゃん?元気かえ?』


「元気元気!

おばあちゃんは?」


『もちろん元気や!

今日入学式やんな?おめでとう。』


「ありがとう。

あ、祐くんたちも今日、就職とか入学だよね?」


『うん、そやで。』



一年半の猛勉強の末、私は無事M大学に合格することができた。


まぁ晴の結果は追々わかるとして……



祐くん、瑞季ちゃん、慎くん、礼二くんはみんな

就職や進学を果たしていた。


慎くんと礼二くんは大阪の大学に合格し、今日入学式だそうだ。


瑞季ちゃんは皆川商店を継いで、看板娘として頑張っているらしい。


祐くんは、香川県の大学に通い、

その後の進路はまだ大都市に出るか地元に残るか
決めかねているようだった。




『みんな元気にやっとるで~。』


「そっか!よかった!!

私も夏休みにまたそっち遊びにいくね!」


『うん、大学も楽しむんやで~。』


「ありがとう、おばあちゃん。」



私は緩んだ頬にハッとなり、

慌てて周囲を気にした。



現在、M大学正門前。


入学式に来た新入生で、ごったがえしていた。




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