竜宮城に帰りたい。



私は本当にそう思うんだよ。


晴のそばなら、どんなところでも今までにないくらいキラキラして見える気がするの。


私は明日からの生活が、楽しみでたまらない。


きっと、

あの夏、あの町で知った海の輝きや花火の鮮やかさより

もっともっとキラキラした未来が待ってる。



そんな気がしてならない。




「じゃあご飯作ろっかな。

何がいい?」


「ほんだら、まぁ簡単なオムライスくらいにしといてやるかのぉ。」


「っ!肉じゃがね!オッケー!」


「俺、にんじん無理やけん。」


「だめですー!」



晴は悔しそうにするが、

何も言わずソファの中で丸くなった。


そんな姿に私は思わず笑顔をこぼした。





東京でも香川でも、

私の道はまっすぐだよ。



寄り道しても、

迷っても、


最後はあなたのもとへ


私の竜宮城に帰りたい。




< 234 / 236 >

この作品をシェア

pagetop