竜宮城に帰りたい。
「お待たせしました…」
数十分後、私が準備を終えて家から出てくると、
「ようやく来よったか」
と、今日初めてハルが言葉を発した。
しかもそれが嫌味って、ホントひねくれてる。
「ねぇ、本当にこれからどこ行くの?」
祐くんにそう尋ねると、
「いいから付いてき。」
とだけ答えた。
何だかすごく不安だ…。
もしかして、ホイホイ付いてきちゃいけなかったのかな。
でも、おばあちゃんもこの二人のこと知ってたし…
そんなことをループで考えていたら、
「着いたで」
と祐くんが呟いた。
伏せていた顔を上げると、そこは学校だった。
「え、学校…?」
「そ、俺らの溜まり場や」
「俺らって…」
「おう、やっと来たわ。」
「晴〜」
「なぁ祐、その子誰ー?」
校門の中から同い年くらいの男女が数人出てきた。
嘘でしょ。昨日の不安的中…
どんどん血の気が引いていく。
こんな中で楽しくやれるほどコミュ力ないって…