竜宮城に帰りたい。
ごまかさなきゃ…
「瑞季ちゃん、羨ましいな。
私もあんな風になりたいよ。」
「……」
っなんか言ってよー!!
「あ、そっか。わかった。」
「?何が?」
「ずっと遠慮しまくってわざと俺らと
仲ようならんようにしとったんかと思ったが…」
「……」
「お前、優しいだけなんやのぉ。」
その一瞬、
全身に鳥肌が立った。
『優しい』
一番嫌だったはずの言葉が、私の心の奥底に沈んでいた、つっかえになっていた何かをぶっ壊した。
他の人たちの表面的なレッテルとは違う。
晴が言うだけで
その言葉は命を持って、私の中を駆け巡った。
「っ…う…」
「は!?お前、何泣いてるんや!」
今まで言われたどんな言葉よりも
嬉しかった。
私が私だと認められたような気がしたんだ。