竜宮城に帰りたい。



海までは確かに長い道のりだったけれど、
それほど苦しくはなかった。


浜に着くと、そこにはすでに瑞季ちゃんと礼二くんと慎くんがいた。


「おはよう、澪ちゃん!」

「おはよう…」


朝から瑞季ちゃんの笑顔は曇りない。

本当にいつでも明るい子だな…。


「あ、そうだ。
この子、ゆかり。私の妹で…。
今日一緒に遊ばせてもらってもいい?」


「よろしくお願いしまーす」とゆかりは得意の人懐こい笑顔を浮かべた。


「もちろんや!」

「よろしくねー、ゆかりちゃん」

「かわえぇのぉ」


みんなもすんなりゆかりのことを受け入れてくれた。


相変わらずゆかりの「なじむ力」には舌を巻く。

私が何時間もかけて達成したことを……



「ほんだら、早速泳ごうで!」

「うん!」


ゆかりは元気よく返事をすると、
慎くんと礼二くんの後に続いて海へ入っていった。




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