竜宮城に帰りたい。
その後、4つ目の甲山寺(コウヤマジ)を巡り、
最後の善通寺(ゼンツウジ)に着く頃には日が暮れていた。
「おねえちゃん、疲れた〜」
「そうだね…」
さすがに一日中自転車を漕いでいるのは相当しんどい。
私たちだけでなく、他のみんなも疲労困憊しているようだ。
「はよお参りしていのか〜」
「おー…」
今日一日でみんなといろいろな話ができて、
一気に仲良くなれた気がする。
特に瑞季ちゃん…
瑞季ちゃんもそう思ってくれてたら嬉しいな。
晴とは朝以来ほとんど口を利いていないけれど…。
ていうか本当に朝のあの台詞はなんだったのか…
どうせ晴のことだ。
あの台詞であたふたする私を見て楽しもうとか思っていたんだろうけど、
そんな手に乗るもんか!
実際、晴は今だって瑞季ちゃんと仲よさそうに話している。
私だけじゃないんだ…
別に…
って、何嫉妬みたいなことしてんの!
私のバカ!
恥ずかしいやつ!
「なに一人で百面相しとるんや。」
「祐くん…」
ハッと我に返ると、私の顔を見て笑う祐くんがいた。