竜宮城に帰りたい。
優しい空気が照れくさくなり、
私は慌てて別の話題を探した。
「そ、そういえばさ…
晴はどうしてそんなにいろんなもの持ってるのに、
あんなに…寂しそうなんだろう。」
「え、寂しそう…?」
「うん…」
祐くんが私の予想に反し、きょとんとした顔をしたので、
私は何か間違ったことを言ったのかと不安になった。
「晴が寂しそうなんてあんまり思ったことないけど…」
「え…」
その時、部屋の扉がすっと開き、
「ただいま〜」
と瑞季ちゃんの元気な声とともに晴たちがコンビニから帰ってきた。
「お、おかえりなさい…」
「飲みもん何買うてきた?」
「コーラ。」
あっという間にさっきまでの雰囲気はなくなり、
元の楽しい時間が戻ってきた。
そういえば…
祐くんと話していたおかげで晴たちのことあんまり気にせずに済んだな…
「澪ちゃんたち、まだご飯食べとらんかったの!?」
「あ、うん。お話に夢中で…」
「え〜。何それ、何の話?気になる〜」
「えへへ…
そんな大した話じゃないよ。」
「怪しいな〜」
怪しいのは瑞季ちゃんたちでしょ!
心の中でそう叫んでみたが、このモヤモヤはそう簡単に消えなかった。