竜宮城に帰りたい。
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「おはよう…。」
「おはよ」
「はよー」
7日目の朝、いつも通り晴と祐くんは廊下の大きな窓をノックした。
今日はゆかりも元気になったため、
朝から準備万端で二人が来るのを待ち焦がれていた。
「今日、瑞季休みや。」
「へ?」
来た早々、晴がぶっきらぼうにそう言った。
瑞季ちゃんが休み…?
「何かあったの…?」
「祭りの準備手伝わされとる。」
「そう…なんだ。」
体調崩したとかじゃなくて、ひとまず良かったけど…
「祭りって…?」
私の疑問に、晴の代わりに祐くんが答えた。
「近々あるんや。
まぁまた連れてくけん。
慎も礼二も来れんし、今日はもう行こうで。」
「う、うん…。
わかった。」
うう…
昨日晴のことが好きだって分かったばっかりだから、
なんとなく気まずい。
晴と何話したらいいのかわかんないよ…
そんな不安を抱えながら、私たち4人は目的地の紫雲出山へ向かった。