竜宮城に帰りたい。
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翌朝ー
目が覚めると、おばあちゃんが私の横に座っていた。
「おはよう。」
おばあちゃんの優しい笑顔を見て、
また泣き出しそうになるがなんとかこらえた。
「おはよ…」
「体調はよぉなったかえ?」
「うん…」
きっと何かあったと気づいているんだろうけど、
体調が悪かったことにしてくれてる。
何も聞かないでいてくれるのは、ありがたかった。
「今日は晴ちゃんたち来ても、
澪ちゃんは体調悪いっちゅーとくけん、
ゆっくり休みまい。」
「うん…」
おばあちゃんはまたにっこり笑うと、
寝室の襖を静かに閉めた。
「ありがと…」
たぶん聞こえなかっただろうけど、
お礼を言い、また一粒涙をこぼした。