竜宮城に帰りたい。
少し落ち着くと、
フーッと大きなため息をついた。
これからどうしよう。
晴のことが好きだってこと、
瑞季ちゃんも知ってしまっただろうか。
私たち、もう友達じゃあいられなくなるのかな。
それは…やだな。
その「私たち」の中に晴も含まれていることは、意識の底では分かっていた。
私はまだ晴のことが好きなんだ。
あんな目に遭ったのに、まだ好きって…
私結構ドMかも。
私…少しは変われたかな。
少なくとも晴たちに出会う前は、好きになって一日で告白したりはしなかった。
あと、こんなに苦しくてしつこい恋もしたことないな…。
東京に帰ったらまた気弱なだけの私に戻ってしまうのだろうか。
何事もなかったかのように、
ここでの変化も薄まっていって…
いつか晴への恋心も消えてなくなってしまうのかな。
そんなの…
「やだ」
私は布団から体を起き上がらせた。
こんなところで止まってちゃダメだ。
おばあちゃんが来てから少し眠ってしまったようだ。
時計を見ると13:00だった。