竜宮城に帰りたい。



浜に着くと、意外と人が少ないことに驚いた。


あ、そっか。
天気が悪いから…。


「よいしょ」

石階段に腰掛け、美しい海と島の自然を眺める。


やっぱりここは落ち着く。


まだ数えるほどしか来てないところなのに、
そう思うのはなんでだろう。


みんなとの楽しい思い出があるから…?

晴と出会った場所だから…?



そんなことを考えていると、
次第に小雨が降り始めた。



周りの夕日目当ての観光客も、
雨が振りだしたらさすがに諦め、
早々に帰っていった。



私も帰らなきゃ…


わかってはいるけれど、
もう少しここにいたい気持ちだった。





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