平成の戦争
赤紙

その頃国会では、戦争の詳細について話し合っていた。

議員と大臣の間では、何歳以上何歳以下の男子に赤紙を通達するかについて議論されている。

議員側の【満18歳の男子】という意見に対し、国会側は【満15歳の男子】という提案だった。

しかし、議員といっても、国会側に付く議員は過半数を占め、国会側の議決はほぼ確実だ。

国民はその議論の結果に恐れを感じつつも、画面に釘付けになっていて、その時の国会生中継の視聴率は50%を超えていた。



そして同時に、18歳以上の息子を持つ母親は、夫と息子二人とも戦争に行かれる悔しさと絶望に浸っている。


まさか、自分の息子が、夫が戦争に行くなんて...


平成=平和だった私たちには、想像すらすることが出来なかった。


しかし議論の結果、15歳以上60歳以下の男子に赤紙の選考が行われることが決定。

その中でも武器制作の協力者と政治家、オリンピック選手、身体機能に障がいがあるものは、自らの志願がない限り赤紙の選考から外されることとなった。

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