愛と音の花束を
帰宅し、自分の部屋に入って、さて、もらった花束をどこに飾ろうかと考える。
環奈や他の人からもお花をもらっていた。
そこでまた盛大にため息をつく。
椎名にもらった花束を飾るのが、妙に恥ずかしい。
だけど、リビングや玄関など家族との共有スペースに飾るのは、何だかもっと恥ずかしい。
……悩んだ末、自室の出窓に置いた。
花は花。
罪はない。
罪はないけど。
今日はごめんね。
出窓の手前の遮光カーテンを引いて、花を視界から消した。
翌朝。
寝ぼけた頭で出窓のカーテンを開けると、例の花があって、彼の笑顔がフラッシュバックする。心臓が飛び跳ね、一気に目が覚めた。
ため息と共に頭を抱える。
……もう、ほんと、勘弁。