愛と音の花束を
□
次の土曜日。
三神君の家に、早瀬先生、下振りする羽生さん、私で集まり、メンコン練習に向けた打ち合わせをする。
今朝になって早瀬先生から、「急で悪いけど仕事の都合で時間を早めてほしい」と連絡があった。
いつものように三神君の花のメンテナンスの時間は取れなさそう。
三神君の家に着いたのはほぼ時間通りになってしまった。
玄関のインターホンを鳴らして名乗ると、「開いてるのでどうぞ」とのこと。いつも通り。
だけど。
玄関に入った途端。
……かすかに、いつもと違う香りがした。
早瀬先生の香水かな?
玄関には早瀬先生の靴と思しき、女性もののパンプス。
ピアノのスケールの音が聞こえる。
早瀬先生が弾いてるんだろう。
三神君が姿を見せた。
「すみません、忙しいのに急な時間変更で」
「いえ、先にお線香だけ上げさせてもらいますね」
いつも通り仏壇のある和室に入ろうとすると、
「ちょっと待ってください!」
三神君が珍しく慌てて私を止めた。
だけど、そう言われた時には引き戸を少し開けちゃってた。
で、見えちゃった。
部屋の隅に、お布団が畳まれているのを。
次の土曜日。
三神君の家に、早瀬先生、下振りする羽生さん、私で集まり、メンコン練習に向けた打ち合わせをする。
今朝になって早瀬先生から、「急で悪いけど仕事の都合で時間を早めてほしい」と連絡があった。
いつものように三神君の花のメンテナンスの時間は取れなさそう。
三神君の家に着いたのはほぼ時間通りになってしまった。
玄関のインターホンを鳴らして名乗ると、「開いてるのでどうぞ」とのこと。いつも通り。
だけど。
玄関に入った途端。
……かすかに、いつもと違う香りがした。
早瀬先生の香水かな?
玄関には早瀬先生の靴と思しき、女性もののパンプス。
ピアノのスケールの音が聞こえる。
早瀬先生が弾いてるんだろう。
三神君が姿を見せた。
「すみません、忙しいのに急な時間変更で」
「いえ、先にお線香だけ上げさせてもらいますね」
いつも通り仏壇のある和室に入ろうとすると、
「ちょっと待ってください!」
三神君が珍しく慌てて私を止めた。
だけど、そう言われた時には引き戸を少し開けちゃってた。
で、見えちゃった。
部屋の隅に、お布団が畳まれているのを。