愛と音の花束を
と言われても。
自然に目は閉じていたけれど、どうにも恥ずかしい、と思っていたところへ、そっとガーゼがかけられて、ほっとする。
「ではお口を大きく開けてください。はい、いいですね、少しそのままで。写真撮ります」
器具が口腔内に差し入れられ、写真を撮った後、椎名はC0だのC1だの、何やら読み上げていく。女性の落ち着いた「はい」という返事も聞こえる。
専門用語を使いながらテキパキ働く雰囲気は何やら格好いいかも……などと呑気に構えていると、
「ちょっとチクっとしますよ」
という私に向けた声とともに、尖ったものが歯と歯茎の間に差し込まれた。
痛い!
チクっとかいうレベルじゃないけど⁉︎
それがしばらく続いて、ようやく解放された時には、心底ほっとした。
「はい、一旦起こします、そちらのコップでお口すすいでください」
水が自動で注がれている紙コップには、絵本“はらぺこあおむし”のイラストがプリントされていた。
あら、かわいい。ちょっと和む。
自然に目は閉じていたけれど、どうにも恥ずかしい、と思っていたところへ、そっとガーゼがかけられて、ほっとする。
「ではお口を大きく開けてください。はい、いいですね、少しそのままで。写真撮ります」
器具が口腔内に差し入れられ、写真を撮った後、椎名はC0だのC1だの、何やら読み上げていく。女性の落ち着いた「はい」という返事も聞こえる。
専門用語を使いながらテキパキ働く雰囲気は何やら格好いいかも……などと呑気に構えていると、
「ちょっとチクっとしますよ」
という私に向けた声とともに、尖ったものが歯と歯茎の間に差し込まれた。
痛い!
チクっとかいうレベルじゃないけど⁉︎
それがしばらく続いて、ようやく解放された時には、心底ほっとした。
「はい、一旦起こします、そちらのコップでお口すすいでください」
水が自動で注がれている紙コップには、絵本“はらぺこあおむし”のイラストがプリントされていた。
あら、かわいい。ちょっと和む。