愛と音の花束を
「来週の木曜日、マッサージに行って身体をほぐしてから、枕専門店に行ってオーダーメイドの枕を作ります」

「はっ⁉︎」

「以前マッサージした後揉み返しがあってどうしても駄目、とかある?」

「ないけど……」

「じゃあオススメの店知ってるから、案内する。腕は確かだから」

「ちょっと待ってよ。2人で出掛けるってこと?」

「そうなるね。何か問題?」

「いや、だって、」

付き合ってもない男女が2人でマッサージとか枕買いにいくとか、感覚おかしいんじゃないのか、この男⁉︎

「お金は俺が払うよ?」

やっぱり頭おかしい、この男!
付き合ってもいない男性から奢ってもらうとかプレゼントされるとか、意味がわからない。

「いつもお世話になってるし、ストレスの一因としてはそれくらいしてもいいかなとは思ってるんだけど」

……どういう意味で言ってる?

「……そこまでしてもらう義理はありません」

「はは、そっか。そう言うと思った。まあ、お金の話は別として。……真面目な話、1日かけていろんなプロの手借りて集中治療すると考えれば悪い話ではないと思うけど。身体の不調を抱えたままだと結花ちゃんもつらいだろうし、ご家族もオケのみんなも心配するでしょう? 原因から改善していかないと、薬代や治療代だってどんどんかさむよ?」

それは……そうかもしれないけど……。

「結花ちゃんの週1日の休日はすごく貴重だと分かっているけど、1日だけ、この先の人生に投資するつもりで過ごしてみない?」








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