愛と音の花束を

帰ろうと、ひとり公民館の外に出たところで、夜空を見上げる。

西の空に、デネブ、アルタイル、ベガ。
夏の大三角。

ただし、今はもう10月初旬。
夜の空気は肌寒い。
夏の大三角ともそろそろお別れだ。

星が季節により規則正しく巡っていくように、私の生活も規則正しく巡ってきた。

春と秋に定期演奏会の本番をし、反省会をし、新しい譜面を半年間練習して、また本番。

そのリズムは、たぶん、これからも、ずっと続いていく。

その中で、新しい団員が入るのは、本来刺激になって、いいことであるはずなのだ。

本来ならば。

だけど今回のは……。


……何だか、苦労しそうな予感。


あの調子で振り回されないよう、パートリーダーとしてしっかりしなければ。






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