愛と音の花束を
ファーストヴァイオリン、三神圭太郎。
セカンドヴァイオリン、私。
ヴィオラ、坂下さん。40〜50代女性。
チェロ、藤波さん。50〜60代男性。
コントラバス、小松さん。30代女性。
防音室に集まった、いつもの弦楽器トップメンバー。
だけど。
今回、チェロは曲でトップを替えてきた。
真木君。20代後半男性。
何故彼だけ推定年齢の幅が狭いかというと、彼がコンマスの大学時代の同期だから。
1か月前に入ったばかり。
が、こちらは椎名と違ってかなりの上級者。
今回シェヘラザードはチェロのソロがかなり出てくるけれど、藤波さんは真木君にこのソロを弾かせることにしたらしい。
新入りが経験者なのはうらやましい。
で、今日はトップが集まったのは、単に曲を弾くだけじゃない。
ボウイングを決める。
オーケストラの弦楽器の弓の動きを見ていただくと、揃ってるのがお分かりいただけると思う。
この弓の動きを決めるのだ。
コンマスが決めたファーストヴァイオリンのボウイングは前もって知らされていたから、それを基に各自、自分のパートにつけてきたボウイングを出し合い、調整し、決定する。
この調整がなかなか曲者で。