愛と音の花束を
「寒くない?」
「くっついてるから平気」
お風呂から上がって、案内された那智の寝室は、和室だった。
那智の布団の隣に一応客用布団を敷いてくれたけど、当然ひとつの布団に入ってくっついてるわけで。
那智の体温にくるまれているのは、温かくて、とても気持ちがいい。
しかも、特注だという大きな高級マットレスに、肌触りのいいシーツ。軽くてあったかい羽毛掛布団。
気持ちいい。けど。
「お金かけてるね……」
「人生の3分の1は寝てるんだから、質のいい睡眠はよい人生につながるってことで」
「これがオーダーメイド枕?」
「そう」
2人で頭を乗せている枕は、私にはちょっと高くて違和感があるけれど、沈み具合や感触は確かにいい感じだ。
なお、腕枕は謹んで辞退させていただいた。
「作りに行く?」
「……考えとく」
「うん。後でゆっくり考えて。俺がいくらマゾでも、そろそろ我慢の限界……」
言い終わらないうちに、キスをされた。
大きな手の平が、私の身体をゆっくりなぞる。
こうして触れられることが、
とても嬉しくて、
……どうしよう。すでに、溶けそう。