愛と音の花束を
「ソラと、マッサージ店の店長と、俺は、高校の同級生」
あの店長も‼︎
「まあ、今では3人ともプロの音楽家ではないから、先生には申し訳ないけど」
……どうして?と聞けるほど無神経ではない。
那智は先回りして言った。
「あそこには、天才だとか、化け物だとか、うようよしてるんだよ」
苦笑いを浮かべながら。
その笑顔は、
本当に苦いもので。
彼の若い頃の葛藤を想い、胸が痛くなる。
彼の優しさは、生来のものに加え、挫折を知ってる人の優しさだったんだ。
私は今までの経験の中から、必死で言葉を探して。
「設楽先生の受け売りだけど……、
挫折も、失恋も、人生を深くすると思う」
と言った。
那智は笑って、私の隣に立ち、頭に手を伸ばしてきて、髪をくしゃくしゃっとした。
ドキッとする。
「ありがと。だけど、アレ、マジで嫉妬したし焦った。あの人と俺じゃ勝負にならないし」
もう。仕方ない。大サービスしてやるか。
「……安心していいよ。今、あの時と比べ物にならないくらい、ドキドキしてるから」
那智は嬉しそうに笑った。
「俺でもあの人に勝てることがあるって分かって、今、すごい優越感」
男って馬鹿だなぁ。
呆れて笑ってしまった。
あの店長も‼︎
「まあ、今では3人ともプロの音楽家ではないから、先生には申し訳ないけど」
……どうして?と聞けるほど無神経ではない。
那智は先回りして言った。
「あそこには、天才だとか、化け物だとか、うようよしてるんだよ」
苦笑いを浮かべながら。
その笑顔は、
本当に苦いもので。
彼の若い頃の葛藤を想い、胸が痛くなる。
彼の優しさは、生来のものに加え、挫折を知ってる人の優しさだったんだ。
私は今までの経験の中から、必死で言葉を探して。
「設楽先生の受け売りだけど……、
挫折も、失恋も、人生を深くすると思う」
と言った。
那智は笑って、私の隣に立ち、頭に手を伸ばしてきて、髪をくしゃくしゃっとした。
ドキッとする。
「ありがと。だけど、アレ、マジで嫉妬したし焦った。あの人と俺じゃ勝負にならないし」
もう。仕方ない。大サービスしてやるか。
「……安心していいよ。今、あの時と比べ物にならないくらい、ドキドキしてるから」
那智は嬉しそうに笑った。
「俺でもあの人に勝てることがあるって分かって、今、すごい優越感」
男って馬鹿だなぁ。
呆れて笑ってしまった。