愛と音の花束を
□
次の土曜日。
世間はクリスマスシーズン。
花屋も稼ぎ時。
お客様が途切れたタイミングで、長谷川さんは外で寄せ植えを作り、父と母は遅いお昼休憩に入った。
私が店内で1人、ポインセチアの鉢植えのクリスマスラッピングをしていると。
「こんにちは」
店に入ってきたのは、樋口さん。
「いらっしゃいませ」
「母のところに持っていく花束、いつもの感じでお願い」
「かしこまりました。少しクリスマスっぽくしてみましょうか」
「ああ、いいね、それ」
樋口さんのお母様は市内の特養ホームにいる。
少しでも気持ちが和みますように、と願いをこめて、花を組み上げていく。
真紅のカーネーションとガーベラを中心に、緑と実モノを多めに。差し色で黄色のバラ。こっちにオレンジ〜ピンクのグラデーションのバラも足そう。それから、こっくりした紫色のアネモネ。うん。ぐっとクリスマスっぽくなってきた。
「ねぇ。永野。あたし、次の練習行けないから、今日が今年最後」
「はい。今年もお世話になりました。来年もよろしくお願いします」
次の土曜日。
世間はクリスマスシーズン。
花屋も稼ぎ時。
お客様が途切れたタイミングで、長谷川さんは外で寄せ植えを作り、父と母は遅いお昼休憩に入った。
私が店内で1人、ポインセチアの鉢植えのクリスマスラッピングをしていると。
「こんにちは」
店に入ってきたのは、樋口さん。
「いらっしゃいませ」
「母のところに持っていく花束、いつもの感じでお願い」
「かしこまりました。少しクリスマスっぽくしてみましょうか」
「ああ、いいね、それ」
樋口さんのお母様は市内の特養ホームにいる。
少しでも気持ちが和みますように、と願いをこめて、花を組み上げていく。
真紅のカーネーションとガーベラを中心に、緑と実モノを多めに。差し色で黄色のバラ。こっちにオレンジ〜ピンクのグラデーションのバラも足そう。それから、こっくりした紫色のアネモネ。うん。ぐっとクリスマスっぽくなってきた。
「ねぇ。永野。あたし、次の練習行けないから、今日が今年最後」
「はい。今年もお世話になりました。来年もよろしくお願いします」