愛と音の花束を
……軽くなった両手が妙にスースーして気持ち悪い。
別にいつも肉体労働してるからこれくらい何でもないのに。
でもここで下手に断ると、またお説教されかねない、と思ったので、素直に任せることにした。
「……ありがとう」
「どういたしまして」
ホールに向かって並んで歩く。
「ふむ。結花ちゃんはもしかしてお花屋さん?」
「……そのメルヘンチックな呼び方やめてくれる?」
椎名とはこの頃タメ口で話すようになっていた。
……ほら、面倒だから。
「わあ、当たり⁉︎ だから“花を結ぶ”“花で結ぶ”で結花ちゃんなんだ!」
父親がロマンチストなのだ。
「実は買い出し係かもしれないじゃない」
「結花ちゃんを使いっ走りにできる団員がいるわけないじゃん」
「…………」
「いや、違うよ! 威張ってるとかじゃなくて、古参としての威厳があるというか……重鎮の重みというか……リーダーっぽいっていうか……。あっと、それにさ、こんな朝早くから開いてるお花屋さんはないでしょ」
現在、朝8時45分。
「昨日から準備してたかもよ」
「それに、前に握手した時、水を使う仕事なのかなって思ったから」
手荒れしているということね。
やっぱりこいつ頭回るな。
別にいつも肉体労働してるからこれくらい何でもないのに。
でもここで下手に断ると、またお説教されかねない、と思ったので、素直に任せることにした。
「……ありがとう」
「どういたしまして」
ホールに向かって並んで歩く。
「ふむ。結花ちゃんはもしかしてお花屋さん?」
「……そのメルヘンチックな呼び方やめてくれる?」
椎名とはこの頃タメ口で話すようになっていた。
……ほら、面倒だから。
「わあ、当たり⁉︎ だから“花を結ぶ”“花で結ぶ”で結花ちゃんなんだ!」
父親がロマンチストなのだ。
「実は買い出し係かもしれないじゃない」
「結花ちゃんを使いっ走りにできる団員がいるわけないじゃん」
「…………」
「いや、違うよ! 威張ってるとかじゃなくて、古参としての威厳があるというか……重鎮の重みというか……リーダーっぽいっていうか……。あっと、それにさ、こんな朝早くから開いてるお花屋さんはないでしょ」
現在、朝8時45分。
「昨日から準備してたかもよ」
「それに、前に握手した時、水を使う仕事なのかなって思ったから」
手荒れしているということね。
やっぱりこいつ頭回るな。