かたかご
「今、何がおきているの?」
阿部皇女は、不安げに姉の御名部皇女によりそった。
二日前から帝の命令により屋敷からでることができなくなっていた。
理由さえ知らせられず、ただでるなとだけ
御名部皇女は、直接兄の帝にたずねようと思い、釆女に使いを行かせて支度をしていた。
「大丈夫よ。帝に直接うかがうから」
妹の阿部皇女をなだめていた。
「姉様、私もいきます。不安のままではイヤです」
御名部皇女は、しっかり者の阿部皇女らしいと思った。
しかし、ただごとではない状態の時に、妹を連れていくには危険だと思った。
「ダメ、私一人ということで使いを、出したから。」
「えーっ」
阿部皇女は不満げな声をあげた。
「母様を頼みます。」
御名部皇女は阿部皇女に否応ない間に部屋をでて輿へ乗り込んだ。

阿部皇女は、黙り姉を見送るしかなく、輿を見送った。
帝は、命にしたがわずにやってきた、御名部皇女をおいかえすことなく、通すように釆女に案内させた。
「帝、何が起きてるのですか?」
御名部皇女は部屋に通されると、といかけながら部屋に入り帝姿に驚き立ち尽くした。
「!」
帝は鎧をまとっていた。「御名部わかっただろう…」
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