かたかご
やまぶき
「高市様…」
御名部皇女は、ため息をはいた。
あのあと十市皇女に高市皇子のことを聞くことすらできずにいた。
高市皇子の皇子のことをなんてきりだせばいいのか?
二人は、たずねあうほど仲良しなのか?
聞きたいことあるのに聞けない。
御名部皇女は、ため息ばかりついて、他に気持ちがいかない。
「はっ…」

「お姉様。」
後ろから声をかけられ振り返る。
「阿部。
戻ったの?」
「はい。無事に、大役つとめました。」
阿部皇女は、姉の御名部皇女の横に腰をおろした。
「疲れた?」
御名部皇女は、尋ねると「少しばかり、でも楽しかったです。」
阿部は、無邪気に答えた。
< 18 / 23 >

この作品をシェア

pagetop