かたかご
漢字がみつからないのでさららのひめみこで統一させていただきます。)から何かお便りがきましたか?」
御名部皇女は、首を横にふり
「いえ‥」
「そう‥父上のご加減や暮らしぶりはどうなのかしら」
十市皇女は、遠くを見る目を始めた。
十市皇女‥父は天皇系の血筋の大海人皇子、母は秀歌の美女のほまれている、額田王(ぬかたのおおきみ)。大海人皇子は御名部皇女には叔父にあたる、第一皇女で、現天皇の皇后。天皇との間には、葛野王(かどのおう)をもうけ幸福の中にいるはずなのだがやはり父上の事が、気掛かりなのだろうか?御名部皇女は、そう感じた。
讃良皇女は、父親を同じの姉であるが御名部皇女達の母は讃良皇女の母と姉妹であった。
御名部皇女と阿部皇女姉妹は、讃良皇女とは血のつながりが強かった。
「讃良姉様もなれない生活におわれているのではないでしょうかね。」
御名部皇女が、いうと十市皇女は、御名部皇女を見つめ
「そうかも知れませんね。父上の好きな焼き鮒を送ってあげましょうかね。」
微笑みながら答えた。
御名部皇女は、十市皇女に微笑み返し
「お喜びになりますね。きっと」
そう言葉をそえた。
二人が、微笑みあっていた時だ。
「十市、十市」
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