カナリア
カラス
「へー。取得まで最短7年間……。大変じゃない?」
「自分で選んだ道ですし。」
「ふーん。父親の仕事の手伝いねぇー。」
私の目の前に座り、相槌を打つ彼の名前は《カラス》というらしい。
同じ学部同士、仲良くしようじゃないか。
……という事で隣大学との合同飲み会にきている。
季節の変り目にいつも行われているのだが、私はいつもタイミング悪く、バイトの日とかぶって、後期にして初めて顔を出せた。
もともと、そんなに乗り気ではなかったが。
だって、まだお酒を飲める年齢ではない。
同じ学部の友達……――サトミに、無理矢理連れられて参加したはいいが、肝心の彼女は意中の先輩の隣をキープして帰ってこなくなった。
人見知りというわけではないが、サトミ以外の知り合いがいないというこの状況は、テーブルの橋に寄るほか無かった。
カラス君も似たような感じだったのだろう。
同じタイミングで端の席にずれて、前の席に座ったので、世間話なぞしてもらっている。
興味ないだろうに、とても人の事を聞いてくる。自分の事をあんまり話したがらない人だな。
……そんな風に思いながら、オレンジジュースを一口飲んだ。
「……なあ。そんなアンタにさ、面白い話があるんだけど。」
唐突にカラス君が言った。
「はい?」
「オレさ、《ルームシェア》してるんだけど、
その同居人達が……」
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ねえ、友達になろう?
秋のある日、私は、偶然にも彼らと出会った。
「自分で選んだ道ですし。」
「ふーん。父親の仕事の手伝いねぇー。」
私の目の前に座り、相槌を打つ彼の名前は《カラス》というらしい。
同じ学部同士、仲良くしようじゃないか。
……という事で隣大学との合同飲み会にきている。
季節の変り目にいつも行われているのだが、私はいつもタイミング悪く、バイトの日とかぶって、後期にして初めて顔を出せた。
もともと、そんなに乗り気ではなかったが。
だって、まだお酒を飲める年齢ではない。
同じ学部の友達……――サトミに、無理矢理連れられて参加したはいいが、肝心の彼女は意中の先輩の隣をキープして帰ってこなくなった。
人見知りというわけではないが、サトミ以外の知り合いがいないというこの状況は、テーブルの橋に寄るほか無かった。
カラス君も似たような感じだったのだろう。
同じタイミングで端の席にずれて、前の席に座ったので、世間話なぞしてもらっている。
興味ないだろうに、とても人の事を聞いてくる。自分の事をあんまり話したがらない人だな。
……そんな風に思いながら、オレンジジュースを一口飲んだ。
「……なあ。そんなアンタにさ、面白い話があるんだけど。」
唐突にカラス君が言った。
「はい?」
「オレさ、《ルームシェア》してるんだけど、
その同居人達が……」
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ねえ、友達になろう?
秋のある日、私は、偶然にも彼らと出会った。