カナリア
同居人が消えた。


未来を生きる、そう決めたのは、

おれ自身だったが、

別れもなしに終わるとは思っていなかった。



《おれ》達はずっと一緒だった。

辛くても悲しくても《おれ》には《おれ》達しか居なかった。

その逆も同じだ。



ざぶざぶと、黒い海へと足を踏み込む。

浅いのか深いのか、

冷たいのかさえもわからない。



「駄目。これ以上、来てはいけない。

決めたのは、文太だ。」



「!!

おれは!

――……本当は!!」


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朝日が、まぶしい。

少し早めに起きて、準備をして、余った時間に課題やレポート、授業の確認をするのが習慣だった。


いつの間に目覚ましを止めたのだろう。


家から徒歩で行ける距離とはいえ、今からいっても2限目は間に合わない時間だった。


白い星のオブジェクトが並ぶ寝室は、

沢山光を反射してキレイだ。

ぼんやりそれを眺めていると、涙の痕に気づく。

泣いていたのか。


独り暮らしにしては広い部屋が、更に広く感じる。


今まで何とも思っていなかったのに、
不安すら覚える程。


ぽっかりと空いた穴のような物があって、隙間風が恐怖を煽る。



なんて不安定で脆い。



独りで生きる事を目の当たりにして、

目の端から世界が暗くなるような気がした。


意識すらもっていかれそうな薄暗い恐怖に、

急いで携帯を取り出した。
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