カナリア
大学に、来た。


「あ、文太君。ノ、ノート。

勉強できる文太君だったら、その、要らないかもしれないけど。」


「あ、出てなかった時のやつ!?

いるいる!!!ありがとう中村君!助かる!!コピーしていい?」


「もちろんだよ!よかった、役に立てて。

文太君って本当に一人で完璧だから。」


「おれが?中村君、眼鏡の度数合ってないよ。」


「えっ」


---


「あ、文太。お前さ、第二外国語、何とってた?俺、今年はもう駄目だから、2年にかけようと思ってさー。」


「あー森田。分かった。ノート真剣にとっておくわ。」


「いーしそこまで。」


「いや、おれもついでだし。」


「まじでー頼りになるわー。今度飯おごらせろよ。」


「えっ気色が悪い。」


「何でだよ!」


---


「あ、先輩。ありがとうございました。

先輩がくれた情報のお陰様で、森田を手懐けることができました。」


「犬見てーに言うな!!」


「わー……まじかよ……。」


「これからも、森田が迷惑掛けるかもしれませんが、どうぞよろしくお願いします。」


「えっあ、はい?

よろしくお願いします……?」


「ほら!森田!お前も頭下げとけ!」


「お前は俺の保護者かよ!!

よろしくおねがいします!!!」


---


森田君と、学部の先輩と別れ、

セイの所属する料理サークルにやってきた。


「あれ、セイじゃん?どうしたの?」


「えっと、どうしたの……って。」


「だって、ほら。学校忙しくなるからサークル退部するって、この間お別れ会したじゃん。

習慣抜けなくて、来ちゃったってやつ?」


「えっと……ああ、そんな感じ。」


「お前の学部、忙しいもんな。お前がいないの寂しいけど、勉強頑張れよ。

偶に遊びに来ていいから。

ほら、食べる専門?でも全然オッケーだし。
あ、もちろんカナさんも。」


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