あの日、キミが流した涙の先へ
その時だった。
――ガチャ
と、わたしの体を前に押したと同時にドアが開いた。
「こんな家の前で大きな声を出すんじゃない。ご近所に迷惑だろ。
未希、話がある。中に入りなさい」
わたしとお母さんの間に入ってきたのはお父さんだった。
そしてお父さんの後に続いて、わたしもリビングに入る。
ソファーにドサッと座ったお父さんの前にわたしは両手をぎゅっと握りながら立った。
わたしの家はバスケットボール家族。
お母さんは強豪校で中・高とバスケをやってきて、お父さんは小学校から大人になっても全日本のプレイヤーとしても選ばれるくらい優秀な選手で今はある実業団のバスケットボールチームで監督をやっている。
わたしもそんな両親の影響を受けて小学校の時からバスケをやっている。