あの日、キミが流した涙の先へ



歩き続けていると、見覚えのある土手が目に入ってきた。



その上では犬と散歩する人や自転車を漕ぐ人がいて。



遠くからは鉄橋を通る電車の通過する音が聞こえてくる。



この場所に着いたことにホッとして、息を吐いた。



「……着いた」



とは言っても、これから土手の上に行くために少し急な坂を上らなければならない。



一歩一歩登っていくと、そこには昨日と同じ風景が待っていた。



でも昨日は夕方だったからオレンジ色の世界だったけど、今は太陽が上がってきているところだから青い世界でそこだけが違う。



そして土手沿いに病院があることも今日初めて気が付いた。



わたしは昨日と同じように周りの人に邪魔にならないように草の上に座った。



< 17 / 103 >

この作品をシェア

pagetop