あの日、キミが流した涙の先へ
おでこからつーっと伝ってきた汗を手でそっと拭うと、目の前に青く生い茂った土手が目に入った。
わたしは躊躇することもなく、角度のあるコンクリートで舗装された坂を上がり始めた。
最初はなんともなかった足が前に進むにつれて徐々にスピードが落ちていく。
疲れもピークに近づいてて、普段ならなんともないこんなちょっとした坂がとても辛く感じる。
あとちょっと、あとちょっと。
そう自分を奮い立たせながら、一歩一歩上に向かった。
そして登り切った瞬間、いきなり瞼を閉じたくなるくらいの眩しさを感じた。
「すごい……」
土手を上り切った先にはさらさらと流れる大きくはない川と少し先には鉄橋があった。
川の水は太陽の光に反射してきらきらしていて、太陽はオレンジ色に世界を照らしていた。