あの日、キミが流した涙の先へ
チャイムが鳴ると同時に入ってきた担任の先生が「おーい!早く席つけー!」と大きな声で言っている。
その声にわたしは助けられた。
周りは急いでスマートフォンをかばんに入れたり、席に着く中
わたしの席まで来ていた彼女たちは納得いかなそうな顔をして自分の席についている。
ごめんね、わたしがこんな頼りないキャプテンで。
これからみんなに黙って辞めようとしているのに。
そう自分の中で呟くと、なんだか苦しくなってきてわたしはぎゅっと目を閉じた。
昨日、試合が終わってすぐに抜け出してきたから泣いたのは自分だけって思い込んでいたけれど、泣いてたのはわたしだけじゃなかった。
3人ともわたしの心配してくれてたけど、みんなまぶたが腫れてた……。
それから午前中の授業4つを受けたけれど、教科書とノートを開いただけで、お昼休みに春野先生のところに行ってどうやって退部届を出そうかそればっかり考えていた。
部員の子たちとは、昨日試合が終わってすぐに逃げ出したこと、朝練をサボってしまったことを謝罪していつもと変わりなく話した。