あの日、キミが流した涙の先へ
わたしは俯いて、床を見つめた。
「こんな大事な時期にそんな覚悟を決めたお前の気持ちが分からない。
何がお前を退部することに繋がってるんだ!
昨日の試合は最後のスリーポイントを決められなかった自分のせいだと思ってるのか!
答えろよ!謝罪するなら退部を取り消すと言え」
「……失礼します」
「望田!」
先生の前で泣きそうになったわたしは耐えられなくなってもう一度頭を下げて教官室を飛び出した。
我慢していた涙がぽたぽたとコンクリートの上に落ちる。
「……っ」
たったひとつのことなのに、どうしてこうもわたしの前にはいろんな人が立ちはだかってくるのだろう。
わたしはただバスケから離れたいだけなのに。