あの日、キミが流した涙の先へ
人気のない場所でひとしきり泣くと、わたしは何事もなかったかのように教室に戻った。
部活のみんなと普段も一緒にいるし、一緒にいられなくなるまでそばにいたいと思ったから
「昨日のこと謝って、実は手首をちょっと捻ったこと言ったら怒られちゃった。だから今日は病院から部活休むね」なんて嘘を並べて本当のことは言わなかった。
「えっ!大丈夫なの?」
「次の大会には間に合うよね?未希が試合に出られなかったら……」
「ちょっともう!縁起でもないこと言わないでよね!未希は私たちのチームの司令塔なんだから絶対にいなくちゃいけない存在なの!」
みんなの心配してくれる言葉やわたしのことを必要としてくれてる言葉が嬉しい。
だけど、今は素直に嬉しい気持ちだけになれない。
嬉しいのに、その言葉が嘘ついている自分に…バスケを辞めようと決めた自分にずしんと重くのしかかってくる。