あの日、キミが流した涙の先へ
さーっと風が吹いて、自分の着ているユニフォームを揺らす。
スポーツバイクに乗ってサイクリングをする人、散歩をする人たち。人通りは決してそんなはない。
今まで練習、練習、練習のはりつめた毎日にこんなのどかな世界があるなんて知らなかった。
自然と足が止まっていたことに気づいたわたしは他の人の邪魔にならないようにそっとその場に座った。
“この視界に映る川のように、今日のことはすべて流れてしまえばいいのに。”
と心の中で呟きながらずっと川の流れを見つめる。
「………っ」
もうここまで毎日頑張ってきたけれど、それでも大事な時に心が弱くなって決められないのなら
辛い練習が試合に活かせないのなら
わたしのせいで負けてしまうのなら
毎日の大半を潰す部活なんて…やめる。