あの日、キミが流した涙の先へ



鋭い口調になってしまったかもしれないと思って、わたしはパッと彼から視線を逸らして前を向いた。



なんでだろうな、どうしてもこの人にはぶつかってしまう。



「あっ、俺何にも言ってなかったか。3年の椎原翼。



4番さんは?」



わたしににこっと笑ってそう聞きながら、昨日と同じようにわたしの隣に座った。



しかも同い年だったなんて。



うちの学校は確かに一学年10クラスだからフロアが違ったりするけどまさか同じ学年にいるなんて思いもしなかった。



彼の名前すら聞いたことない。



てっきり年下とばかり思ってたのに。



自分がどれだけバスケに頭がいっぱいだったのか身に染みてくる。



この3年間、バスケの他には何してたんだろうわたし。



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