あの日、キミが流した涙の先へ
「うん」
ただ返事するだけなのに、照れ臭くなって声が小さくなってしまった。
「そうこなくっちゃ!ねえ、4番さんも食べるでしょ?」
袋を開けて半分に割ると、その一つの片割れを「はいっ」と言いながらわたしに差し出してきた。
「ありがと」
お昼ごはんは食べれるじまいだったから急にお腹が減ってきた。
ふわふわでもちもちしてる。鼻に近づけるとメロンのいい香りがしてわたしは一口かじりついてみた。
このチョコチップメロンパン……購買で一番人気のパンだ。
チャイムが鳴ったらすぐにダッシュして行かないと買えないパンで一回しか食べたことなかったものだ。
「4時間目終わってすぐにダッシュしたの?」