あの日、キミが流した涙の先へ
「はぁ……」
深く息を吐いた。ため息も最近極端に増えた。
そして朝ごはんもお母さんに朝からバスケのことを言われたくなくなって食べなくなった。
わたしは制服に着替えると、「行ってきます」と小さく玄関で呟いてから家を出た。
こんな顔をしていられるのもあと数十分。それからはまた試合前のいつもの自分に戻らなければいけない。
そのいつもの自分も今はどんな自分だったか見失いつつあって……。
無理して笑ってばっかりいると、こんなにわたしって笑うキャラしてたっけ?って疑問が自分の中でできたり
周りのみんなの子の顔色ばっかり窺っているから、全然ちゃんと息を吸えてる気すらしない。
あのコンビニの角を曲がったら、すぐに学校だ。
「ちゃんとしなきゃ。みんなとはまだ離れたくない」
わたしは両手で自分の顔をパチンと叩いた。