あの日、キミが流した涙の先へ



今度は午後の授業を受けると、放課後みんなが部活に行ってしまう前に3人を呼び止めた。



「これ、代わりに渡しといてくれる?」



渡し物は授業中に書いた数枚のルーズリーフ。



昼休みの時に言っていたもう1つのことを解消するために書いたものだった。



わたしのポジションであるガードはチームの司令塔。攻撃をする時には攻め方によってボールの回す順番、周りの部員たちの動き、シュートする人も変わってくる。



わたしの代わりに今やっている子はそれがよく理解できていなくて、でも周りの部員たちがいつものように来ると思って動いていて混乱しているんだと思う。



だから少しずつ機能していくようにと思って先生にバレないように気をつけながらまとめた。



「すごいね、ちゃんとコートを書いて図になってるから分かりやすい。これなら説明ただするよりいいかも!」



「さすがキャプテン!」



「そんな大袈裟だよ、本当はそばに行って説明できたら良かったんだけど……」



わたしにはもうこんなことしかこの部活にやってあげられることはない。



あとは次の大会に3年生が出られるようにできたら……。



< 52 / 103 >

この作品をシェア

pagetop