あの日、キミが流した涙の先へ



「なんだか…これじゃあ未希がこの部活からいなくなっちゃうみたい…」



――ドクン



心臓が嫌なくらい大きく跳ねた。



みんなにバレてしまったのかと思うくらい、気持ちが落ち着かない。



何か言わなくちゃ、急いで否定しないと。



周りの2人もその言葉に黙ってしまっている。



「な、なに言ってるの!そんなわけないでしょ!



昼休みにわたしのポジションやってる子が機能してないって聞いたから説明できない代わりにまとめただけだよ。



変な勘違いしないでよね、わたしはこの手首だってすぐに治して最後の大会だってみんなと一緒に出るんだから」



湿布を貼った手首を見せながらわたしは動揺している自分を隠して答えた。



お願い、今日のうちはまだ気づかないで。



今日だけは、だめ。



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