あの日、キミが流した涙の先へ



「これでいいんだ……わたしの決めた選択は間違っていない」



自分にそう言い聞かせて、溢れ出した涙をゴシゴシと服の袖で強引に拭うともう一度押し入れの中にお母さんが出してきたものを閉まった。



最初に置いた時のように1つ1つ元の場所へと戻していく。



終わったら部屋を真っ暗にしてベッドに今度はうつ伏せになって倒れこんだ。



後悔はしていない。



この状況はわたしが待ち望んでいたもの。



お父さんは「好きにしなさい」と言って、お母さんは「もういいわ」と言った。



わたしの気持ちは何ひとつ分かってもらえなかったけど、バスケとやめることができた結果は同じだ。



あとは明日からの1年を切った学生生活を一人で耐えることができれば……。



今日はもう寝てしまおうとわたしはぎゅっと瞼を閉じた。



お父さん、お母さんごめんなさいと心の中で繰り返し繰り返し謝りながら。



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