あの日、キミが流した涙の先へ
制服に着替えて、リビングに行くとお父さんもお母さんもいなかった。
完全にわたし、二人に呆れられて見放されてしまったんだ。
そんな状況に悲しい気持ちになったけれど、フルフルと首を横に振った。
わたしはささっと冷蔵庫から見つけたヨーグルトとテーブルの上にあったバナナを食べて家を出た。
傘をたまに地面に突きながら学校へと歩いていく。
でも全然気が乗らなくて、一歩が小さくて前に進んでる感じがしない。
ずっと俯きながら歩いていると、だんだん辺りから話す声が聞こえるようになってきてうちの学校の人たちがそばに増えてきた。
そのことでもうすぐ学校に着いてしまうと分かると同時にまた学校を休みたい気持ちが募ってきた。
「はあ……」
いつものように昇降口から入って、教室に向かって歩いていると自分の教室の前にだけ廊下にたくさんの人だかりがあった。
そしてその中の1人がわたしを見つけると「未希!」と大きな声で名前を呼んだ。