あの日、キミが流した涙の先へ



その一声に周りの子たちもこっちに向かって走ってくる。



女バスのみんなだ。



間違いない、わたしがバスケを辞めること……春野先生はみんなに話したんだ。



こんな時期に辞めることを絶対に『責められる』、『恨まれる』と思ってわたしはその場に止まって身構えた。



「辞めないでよ!未希!」



「どうして未希が辞めちゃうの?手首のけがで休んでるんじゃないの?」



「未希が試合に出てくれないと私たちが勝てるわけないよ!」



「最後まで一緒に頑張ろうよ、ねっ!」



囲むように集まってきて、四方八方からわたしを説得しようとする声が飛んでくる。



中には今にも泣きそうな子までいる……それでも責めて立ててくる子は誰一人としていなかった。



3年間一緒にやってきたみんながわたしのことをこんな風に思ってくれてるのに、



手首が痛いからなんて嘘をついて部活を休み続けていたこと



誰にも言わずに辞めようとしていた自分には罪悪感でいっぱいで胸が痛くなった。



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