あの日、キミが流した涙の先へ
「未希がいないと、私たちはだめなの。
昨日未希に言ってもらったこと実践しようとしたって、みんな未希から言われないと行動にうまく移せなくて全然だめだった。
未希のポジションだって、あの紙をもらったって未希がやらないといつものように攻撃する流れだって作れない。
チームだって全然活気がなくなって、今試合に出たってどこにも勝てないよ。
副キャプテンの私じゃ未希のようにはできない。
……っ、だから辞めないで」
そう言いながら、彼女は大粒の涙を流していた。
あの大会まで今まで一度もわたしは部活を休んだことがなかったから、この時期になって初めてキャプテンの仕事をするようになって全部背負い込む形になって大変なんだよね、きっと。
わたしのわがまま1つで本当にこんなにも周りを左右してしまうなんて思いもしなかった。
みんなは朝から説得しに来てくれて、キャプテンのわたしを支えてくれて、慕ってきてくれたけど本当のわたしは……最低なんだよ。