あの日、キミが流した涙の先へ
空は降っては止んでを繰り返していた雨がまた降りだしていた。
ぽたっぽたっとあちこちに丸い小さな跡をつけていく。
でもそんなのどうでもよかった。
今日1日の間、学校を少しでもはやく出てあの場所に行きたかったから……。
はやく、はやくあの土手に行きたい。
「はあ……はあ……」
通りすがる人たちがだんだん傘をさしたり、雨具を着て自転車に乗っているのが目にうつる。
そしてその中には不思議そうにわたしをじっと見てくる人もいた。
もうこの世界が嫌になる。
自分はどうしてこの世界にいなくちゃいけないんだって思う。
なんでこんなに自分が思ったようにうまくいかないんだろう。
わたしはあの土手が見えてくると腕をさっきよりも振ってスピードを上げた。