あの日、キミが流した涙の先へ
あの男の子、いったい何がしたかったんだろうと考えながら家までの道を歩いた。
そして自分の家のドアを手にした時、一気に全身に緊張感が走った。
怒られる、怒られる。
お父さんもお母さんも絶対にわたしを許してなんかくれない。
そう思うと、ドアを開ける力も出ずに開けようと思っていた手はぶらんと下に落ちる。
「……やっぱだめだ」
怖くて開けることができない。
もう少し、もう少し勇気が出るまでどこかにいこう。
わたしはそう決めると家のドアを背にした。
だけど……
「未希!あなたどこほっつき歩いてたの!
よくもお父さんとお母さんの顔に泥を塗ってくれたわね!」
わたしはもうどこにも逃げることができなくなった。